ニキビは皮ふにできるなかなか治らない病気のひとつで、正式には「尋常性ざ瘡」といいます。
男女ともに多くの人が10~20代で経験しますが、自己流の処置や間違ったスキンケアで悪化させてしまうことも。
赤ニキビは約12個に1個がニキビ痕になるという報告があります※。軽症でも痕が残ることもあり、油断は禁物です。
ニキビが気になったら、まずはスキンケアを見直し、できるだけ早く医療機関で治療を始めましょう。
Do TT et al:J Am Acad Dermatol 58(4):603-608(2008)
写真提供:黒川 一郎 先生(明和病院)
基本的にぬり薬やのみ薬で治療します。炎症が治まっても自己判断で通院や薬を中断しないようにしましょう。次のニキビのもとが残っていると、再発する可能性があります。
ぬり薬 または のみ薬 |
抗菌薬 | 主に赤ニキビなどの急性炎症期に使われます。アクネ菌に対する抗菌作用、炎症を鎮める作用があります。 |
---|---|---|
ぬり薬 ※ 複数の効果を期待した配合剤もあります。 |
アダパレン | 新たなコメドの形成を防ぎます。主にコメド(マイクロコメド・白ニキビ・黒ニキビ)に効果が期待でき、赤ニキビなどの炎症を抑える作用もあります。 |
過酸化ベンゾイル | アクネ菌に対する抗菌作用、炎症を鎮める作用、角質がはがれやすくなる作用があります。白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビに効果が期待できます。 |
ぬり薬の副作用として、皮ふが乾燥してピリピリしたり、かゆみや赤みなどがあらわれることがあります。こうした皮ふトラブルはぬり薬の使いはじめに多くみられ、通院や薬をやめてしまう人もいます。適切なスキンケアを行っていると、このような皮ふトラブルが起きにくくなり、治療を続けやすくなります。
ゴールへの近道は、新たなニキビのもとになる毛穴のつまりを防ぐこと。それには、治療と同じくらい毎日の適切なスキンケアが大切です。
治療経過には個人差があります。
写真提供:黒川 一郎 先生(明和病院)
まずは保険診療の範囲内での治療が基本です。ただし、今までの治療ではどうしてもニキビの改善がみられない場合や、早く治したいなどの事情があるときには、保険診療に比べて費用負担は大きくなりますが、自由診療を検討してみてもよいかもしれません。
肌やニキビの状態などによって適した治療法は異なります。ニキビ痕は保険診療では治療できません。医師とよく相談して治療を選択しましょう。
治療法 | 治療内容 |
---|---|
ビタミンC、B2、B6 | ビタミンCやB類のビタミン剤を内服もしくは注射する。皮脂の分泌をコントロールし、肌コンディションを整える働きを補う。 |
ケミカルピーリング | 肌に薬剤を塗布し、古い角質を取り除いて新しい皮ふの再生を促す。 |
皮脂腺電気凝固治療 | ニキビの原因となる皮脂腺を極細の針と高周波による熱で破壊する。 |
レーザー・光照射治療 | レーザーや光を皮ふに当て、赤み・黒ずみ・陥没などの症状の改善を促す。 |
スキンニ―ドリング | 肌に細い針で微細な傷をつくり、その傷を治そうとする力で新たなコラーゲンの産生を促す。 |
レーザー脱毛 | ムダ毛をなくすことで毛穴が引き締まり、肌が清潔に保たれるため、ニキビ予防が期待できる。 |
医療機関によって、提供している治療は異なります。
治療のなかには、肌への刺激が強いものがあります。治療後の注意点などをしっかりと守りましょう。とくに、保湿や紫外線ケアなどのスキンケアは大切です。
写真提供:堀内 祐紀 先生(秋葉原スキンクリニック)
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